おもちゃばこ

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カップルごっこ


先月の終わり恋人と別れました。
恋人という表現が正しいのかも怪しいですが、とりあえず設定上はそういうことだったので、そういうことにしておきます。

かれこれ10ヶ月弱お付き合いをしていました。一度も、手すら触れることなく終わりました。21-2歳の男女とは思えない、中学生のような不健全な付き合いだったと自覚しています。

わたしに恋愛感情なるものが備わっていなかったこと、彼や彼と過ごす時間を大事に思えなかったこと、恋愛というものに幻想を抱きすぎていたこと、彼に度胸とアプローチ力がなかったこと、女心を分かろうとしなかったこと、がうまくいかなかった理由かなあと思います。
そもそも彼の一方的な好意の上で成り立っていた関係だったから、彼は半分諦めモードだった(と思う)し、私は私で向こうは付き合ってもらっているという考えだから自分から振らなくてはいけないという思考だったので、うまくいくわけのない関係でした。
結局わたしが「もしかしたら好きになれるかもな」と考えつつも会うたび連絡をとるたびにどんどん距離を置きたくなってしまって自然消滅を狙い、しかし中途半端にずるずる付き合い終わらせるタイミングを逃し続け、このまま付き合い続けても互いにメリットがない!と気づいてやっと彼の誕生日前に別れたいと伝えました。

メールで別れたいっつって、結局電話までもつれこみ関係は終わったわけなんですけど。

電話口では私からのメールを何度も読んだだとか、そろそろだと思ってただとか、なんだか色々言われました。電話でしか恋愛話ができないのは相変わらずで。
過去に私に言われて傷ついた言葉ベスト3とかまで言われたのもなかなかだったけれど、私としては振ってほしくて言った言葉に単純に傷ついていたのだなあと思うと相手の純粋さにより驚いたわけです。申し訳なさも、もちろんありましたけれども。
意外に想われてたんだな〜っていうのも別れ話になって初めて分かったし、10ヶ月もの間申し訳ないことをしたなあと思って、それから2.3日はメンタルがまたやられました。形式上ではわたしが振って、彼が振られた立場になるからか「もう僕からは連絡とかしないから」って言われたのもこたえましたね。もう戻れないんだなあって。友達関係でいられなくなるなら、生半可な気持ちで付き合うんじゃなかったなあって。
学祭の日にサークルで顔を合わせても、なんも言葉は交わさなかったし、付き合った時と同じように別れたんだっていう話が回るのも早くて早くて、何も話してないのにみんなが気を遣ってくれてるのが手に取るように分かって耐え難かったです。

そんなかんじで。
彼の誕生日前に振ってしまったことも含めて、なんかすさまじい罪悪感に苛まれたんですよね。肩身の狭さ。悪者感。
自分で自分がかわいそうになっちゃって、気付いたら彼に連絡してました。「最後にデートしてください」
たぶん初めてわたしから誘ったとおもうんですけど、振った女が振られた男を誘ってるわけだから微妙かなあともおもうんですけど、意外に簡単に釣れてくれちゃったわけです。さっくり日付と待ち合わせも決まっちゃって。
わたしが誘ったからっていうのもあるんですけど、基本的に「彼氏」体質なんでやたら緊張しつつも張り切りました。
それなりによさげなレストランでコース予約して、バースデーサプライズこそ男性はされるのが微妙と聞いたのでやめましたけど、一時間以上前に現地行って下見までしましたし。別れた彼氏だけど、彼から今まで貰ったどんなものよりちゃんとしているプレゼントも買いましたし。
席が7-9時だからご飯食べ終わった後すこし時間もらって、カフェでも寄ってレストランサプライズ代わりにケーキを買おうかな、そこで最後に付き合ってくれてありがとうってちゃんと行ってプレゼント渡そうかな、とか段取りまで考えて。
こんなに異性と会う時にオーガナイズしたことなかったから、すごい緊張しました。でも、自分から誘ったし、ある意味自分が出来るしてあげたいこと全部やってスッキリしたかったんですよね。自己満足ですけど。自分の考えたプランを全部して、何の引け目もなく別れたいって思っていました。最初で最後の、わたし企画のデート。

結論から言うとね。
プラン通りには進みませんでした。
シナリオ通りになんか進まないって分かってたけど、にしたってシナリオ総崩れでした。そういえばそういう相手でした。
わたしが待ち合わせ時間よりずっと早くいることも、お店押さえてあることも、コース予約してあることも驚きながらの入店。
席ついてから、もう、ほんとに喋る喋る喋る。とにかく喋る。わたしとのご飯が緊張するのか、人と話足りないのか分からないけど、出るわ出るわしょーもない話と文句と愚痴と自慢。誘った立場だけどなんの話も出来ない、させてもらえない。会話の主導権はずっと彼、たまに「〜やろ?」って聞かれた時だけしか話すタイミングを貰えずに、気づきたらライブMCと観客のような立場に。あまりに喋るので、彼の食事が進まない。大食いの私と小食の彼、彼の箸が進むのを適当な相槌を打ちながらひたすらに待つ。
予約した私しか知らないことですが、電話予約では9時までの使用であった席、彼の食の遅さと話の多さで9時半頃まで使わせていただきました。
食べ終わる頃にはもう一緒にいるのが辛くなってしまって、二軒目に行こうなんてとてもじゃないけど言えませんでした。わたしが払うというのをとてつもなく嫌がりましたが、なんとか抑え込んで全額出しました。もしかしたら料理がとんでもない額だと思ったのかもしれないし(値段は言ってないけど全く高くない)、単純に見栄っ張りだから女に払われたのが気に食わなかったのかもしれない。だけど、わたしの自己満足だから、「普通にありがとうって言え」と言っておきました。
結局ふたりでふたりの似非恋愛を振り返ることもなく、むしろこの世の中で最もどうでもいいような話ばかりを聞かされて(家の駐車場が停めにくいんだとかアウトレットに行きまくっているだとか)、誕生日を祝うわけでもなくそのまま駅に向かいました。「なんで今日誘ったん?」の質問には、内心おまえの誕生日を祝おうとしたからだよ、と答えつつ、「いいじゃないですか!」としらばっくれて。
電車に乗る間際に、じゃあこれお誕生日おめでとうございました!と一言言ってプレゼントを押し付けて「だから(誘ったん)か!」と返され、じゃっ!と電車に乗り込んで、最後のデートは終わりました。

シナリオ通りにはいかなかったけど、そもそも彼相手にそんなことができるわけがなかったんだということに気づきました。
わたしはやるだけやった、でも、向こうが何倍も上手だった、そうとしかいまは思えないです。
とりあえず、もう自己満足はしてるので、罪悪感0。これ以上思い残すことは何もないので、よくわからないこんな恋愛もやっと終わらせられたと思います。
やっぱり私と彼は最初から一緒になるべきじゃなかったんだなあと思えたって意味で、最後にデートしてよかったかな。罪悪感滅ぼしに、コース2人分5000円プラスプレゼント4000円。高くついたけど、まあやるだけやりきったからよしとします。

とりあえず今回学んだことは
私は聞き上手が好きだということ。
話させてくれる人と一緒になりたい。
穏やかな大人な男性、いつか見つけることができますように…!