おもちゃばこ

見て、聞いて、感じて、そして思った事

遠い世界のはなし

邦人拘束事件について、父の勤務先にマスコミ各社から問い合わせがきているらしい。

「映像はホンモノですか?」

プロの目というものはそういう時にも必要とされるのだなあ、と思う反面、真実の分かりそうもないことに日本を初めとする世界各国の大人たちが本物だとかニセモノだとか真実だとかそうでないとか大真面目に議論しているのかと思うと、少し馬鹿らしくなってしまうところもある。
誰かが現地に行って確固たる証拠、真実を確かめるまでは、何も分からないのにな。危険地域がゆえ、それすら難しいのに。
全ての事象有意義か否かの物差しで測ることを必ずしも良しとは思わないけれど、危険地域での事件について屋根のある温かい暮らしの元で嘘か本当かと議論し続けること、それを報じることに意味はあるのだろうかと考えてしまう。


世界史も世界地理も世界宗教も、難しいことはよくわかんないけど、それでも色々思うことはある。

危険地域だとわかっておきながら現地に赴き拘束されていることに自業自得だという声もあって、正直その通りだと思うけど、安田菜津紀さんのいうように、そこが危険地域だということを伝えてくれている人がいるから、遠い遠い世界の事件をこうして知って祈ることができているのも事実なんだ。誰かのぎりぎりの判断が、世界を豊かにしている。
危険地域に足を踏み入れたやつを、挑戦するやつをなじるのは、結局臆病なやつだけなのかもしれない。
でもやっぱり、そんなとこに行くやつは馬鹿だって思っちゃうのは、わたしに真のジャーナリズム精神が備わっていないからか。

報道について、遠い国について、
いろいろ考えてみた。
わたし、世界を全く知らないのだな。